シロアリQ&A
- 誰でも簡単に確かめられるシロアリ発見法を教えて下さい
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シロアリがついていないかは、つぎの手がかりで簡単に調べられます。
蟻道
シロアリは地中から蟻道をつくって建物へ侵入してくることが多いので、時どき建物の基礎や束石、土台などに蟻道がついていないかを確かめましょう。蟻土
シロアリは風や光を嫌い、適当な湿度を保つために、木材の割れ目や継ぎ目に排出物や土砂(蟻土)を詰めたり、盛り上げたりします。食痕
シロアリは木材の軟らかい早材を好んで食べ、硬い晩材を食べ残すという特徴ある食痕を示します。空洞音
シロアリ被害の進んだ木材はハンマーでたたくと空洞音がしたり、ドライバーでほじくると簡単に穴があきます。建物の異常
被害の進んだ建物では柱が下がったり、棟や軒の稜線が波を打ったり、ふすまや雨戸などの立てつけが悪くなったりします。羽アリ
住まいやその近辺からシロアリの羽アリが群飛しないか注意しましょう。乾材シロアリの糞
乾材から乾燥した砂粒状の糞が排出されている場合は乾材シロアリの被害です。
- ヤマトシロアリとイエシロアリの特徴、とくに加害習性を教えて下さい
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ヤマトシロアリは特別に加工した塊状の巣はつくらず、加害箇所が巣をかねており、適当な生活場所と餌を求めて集団で移動する習性があります。とくに湿潤なところを好みますので、湿った木材や土中で生活していることが多く、主に建物下部を加害します。被害は腐朽と同時に起こることが多く、食痕は 多湿で汚ないです。
ヤマトシロアリによる
木材の被害イエシロアリは建物や土中に塊状の大きな巣をつくり、普通 数十万匹、大きいものでは100万匹にも達します。加害速度も速く、被害は激烈です。建物の乾燥した木材でも水を運んできて湿しながら加害しますので、被害は建物全体に及びます。食痕は乾燥しており、きれいです。
イエシロアリの巣
(コンクリート下)
- シロアリの種類を簡単に判別する方法を教えてください
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被害箇所から兵アリを捕らえて、その頭部の形状で判定するのが最も確実で簡単な方法です。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは頭部がほぼ円筒形で体長の約1/2の長さで、乳白色の液は出しません。
イエシロアリ
イエシロアリの頭部は卵形で体長の約1/3の長さで、虫に触れると、頭部先端から乳白色の液(防御物質)を出します。
アメリカカンザイシロアリ
アメリカカンザイシロアリの頭部はヤマトシロアリに似ていますが、体長が約2倍ほどあり、頭部が体長の約1/3の長さです。触角の基部から3番目の環節が長大で、乳白色の液は出しません。
ダイコクシロアリ
ダイコクシロアリの頭部は、前面が裁断状で、体長の約1/4の長さで、乳白色の液は出しません。
- シロアリの階級はそれぞれどんな仕事を分担していますか
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女王・王:交尾・産卵によって子孫を増やし、その集団の繁栄を図るのが任務です。女王の腹部は産卵につれて伸張肥大して、イエシロアリでは体長40mmにも達し、寿命は10~15年で、一生の間に100万個以上の卵を産みます。
副女王・副王:女王や王が死んだり、傷ついた場合に女王・王の代わりをする階級です。
働きアリ:最も個体数の多い階級で全体の90~95%を占め、巣や蟻道をつくったり、修理・清掃するほか、餌の採取、他階級の世話などシロアリ社会のあらゆる労務をうけもっています。
兵アリ:外敵からの防衛に当たる階級で、発達した巣では2~3%程度を占めています。
- どんなものを加害しますか?
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シロアリは雑食性昆虫で、加害力の強烈な昆虫ですので、木柱、まくら木、木柵、杭木などの木材のほか、生きた樹木や農作物、プラスチック・ゴム類、繊維類、皮革類をも加害します。ネコやネズミなどの動物の死骸、墓地や納骨堂の人骨まで侵す場合もあります。さらに、煉瓦やコンクリート、金属も軟らかい鉛や薄板は加害します。
新建材の被害
シロアリは木材だけでなく、プラスチックや合成ゴム製の新建材も加害し、特に発泡スチロールや発泡ウレタン系の断熱材は木材より好んで加害されます。
鉄筋コンクリート造校舎の床板の被害
最近、鉄筋コンクリートやブロック造建物の被害が増えています。コンクリート造建物でも、シロアリはひとたび侵入すると、内部の木材や家具などを食い荒らします。
鉛板の被害
金属でも比較的軟らかい鉛や薄板はシロアリの食害の対象となります。
コンクリートの被害
シロアリは、ときには煉瓦やコンクリートにも穴をあけることがあります。コンクリートの割れ目を拡げたり、給排水管との隙間を通って建物内に侵入します。